UnNews:中高年が数百万円も 危険な推し活
【2023年4月29日 配信】
メジャーではない島国で、とあるサービス業――その名も「推し活」が盛り上がりを見せている。古くからある業態ではあるが、近年の円安の流れからか値上がりが止まらず、多額の資産を費やしてしまう中高年が少なくないようだ。
古くから人間は、自分の生まれた地域によって、「推し」を決めていた。誰を推すかによって可能な「推し活」は異なるが、日本で記録されている最古のものとしては租庸調制が挙げられる。具体的に貢ぐことができるものは、「自分の農地でとれた米の3%、布または労働10日、特産物または布」とされていた。また、推し活をするリターンとして「性別・年齢に合わせた面積の畑」をもらうこともでき、積極的な推し活が見られたという。そこから時代が下ると、推し活に使える物品は次第に制限され、江戸時代には「米」のみとされた。さらに明治時代にはこれを金に変えることが発表され、さすがにこの時には、「あまりにも即物的すぎる」「結局金か、という感が否めない」「マネージャーなどに使い込まれて、推しには一銭も入っていないのでは」など批判が相次いだが、「なんだかんだ金が結局使い勝手がいい」「『貢いでる』感はあるので十分」などの意見もあり最終的には金に一本化する運びとなった。
基本的には現在も金を貢ぐ形式のままではあるが、その内容は多岐にわたっている。まず、小額から推し活できる「消費税」が最も有名だろう。これは1989年に設置されたもので、設置以降最も多くの人に用いられている。他にも、自身の収入に合わせて推し活できる「所得税」も多くの人に選ばれている。この区分では、推し活に使う額が多額になりやすいこともあり、かつて公開されていた「高額推し活ランキング」に大きな影響を及ぼしていた。ただ、あくまで収入に合わせて貢ぐ額が変化するため、それほど生活を圧迫するということはなかったようだ。
そうした状況の中で、現在問題になっているのは社会保険料。一定程度の収入があると多額の請求がなされ、一部の中高年では数百万円を推し活に費やしていることもあるという。リターンとしては、自身が退職した後の年金や、医療福祉などの様々な公的サービスを得られることになっているが、健康なオタクにとってはそれほど恩恵がない。しかも、「実際入院することになったら高額の医療費がかかった」というような、現時点でリターンが機能していないことを示唆する者もあり、「自分が退職するころにはリターンがもらえないのではないか」など、推しの将来を不安視する声もある。
筆頭マネージャーのK氏は、「今後の状態について検討を重ねていく」と、いつも通りの姿勢を崩さない。もしかすると、推しに対してあまりに期待をかけすぎるのは、かえって悪影響である可能性もある。推しとの適切な距離を測りながら、新規顧客の獲得にも動いていく段階まで来ているのかもしれない。
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