清須市
歴史編集
県庁所在地の名古屋への対抗心が強く、名古屋市に隣接する町が固まって市制を敷いた。その発足経緯や市名を巡っての混乱から「カオス市」と揶揄されることもある。
清洲町に新川町と西枇杷島町という2つの町が2005年7月7日にくっつき、市制を施行して成立した。だが、その裏には様々な混乱が伴っており、更に遡れば1600年代という遙か昔の恨みを、今日まで引きずっている都市である。以下にそれを述べる。
名古屋に街を奪われた清洲編集
室町時代に当たる1405年、ここ清洲には守護大名であった斯波氏によって城が築かれ、1478年には稲沢にあった下津城が潰れ、清洲は城下町かつ尾張国の中心地として栄える所となった。
戦国時代になると、織田信長が現在の名古屋城二の丸辺りにあった那古野城から清洲に引越し、那古野の城を潰した。彼もまた、清洲を尾張の中心と位置づける指針を打ち出していたようである。
だが、徳川家康が江戸に幕府を開くと、江戸幕府にとって脅威となりそうな京都の公家や大坂の豊臣氏や伊勢の神宮を監視すべく、紀伊半島の付け根にもっと大きな拠点を造らねばと考えられるようになった。
その結果、かつての那古野城の跡地に巨大な城(現在の名古屋城)を建設し、更にはここに力を集中させる為に、清洲の城下町もそのまま新設都市の名古屋に移転させること(清洲越し)が決定された。更に、今の名古屋駅西口(名古屋市中村区)が「太閤通口」と呼ばれている通り、名古屋城下は奇しくも豊臣秀吉の生誕地でもあった。
そして1610年から1613年にかけて、清洲から順次街は名古屋に移され、清洲は寂れた。これが今日まで、清洲(清須)市民が名古屋に反感を抱く一要因となっている。
余談であるが、近隣の滋賀県(近江・若狭)も似たような感じで、長浜が清洲、彦根が名古屋みたいな存在となっている。実際にひこにゃんで知られる彦根城は、名古屋城と同じく「京都の近く」という位置付けであり、彦根城が建設された時に、長浜城にあった一部の建築物が彦根城に移築されている。更に彦根は京都とは異なり、中日ファンの多い地域でもある。
旧来の清洲人民の特性として、名古屋への対抗意識が挙げられるが、これは名古屋だけにとどまらず、大阪・東京等の他地域にまで対抗意識を燃やす。幼少期しかいなかったはずの織田信長を敬愛し、非常に保守的である。近年、宅地開発による他地域からの人の流入などによりこの傾向は薄まりつつある。
西春日井郡の解体編集
さて、そのようにして街は清洲から名古屋に移されたが、名古屋城の北部一帯と清洲は同じ西春日井郡という郡に所属していた。一方の名古屋城下は愛知郡(「愛知県」はこの郡名を取った名称)に属していた。それは明治時代になっても変わらず、1906年当時は清洲町や枇杷島町・西枇杷島町を筆頭に5つの町と13の村が西春日井郡に属していたといわれている。
だが、名古屋の力は明治・大正を通じて更に拡大し、次第にこの西春日井郡を吸収解体するようになっていく。1921年に3村、1937年にも3村、1955年には2村が吸収され、残った所も強大な名古屋市の属国と看做されるようになってしまった。清洲も同様であったが、同時にこれは、清洲市民が持つ名古屋への反感を一層強める結果に至ったといわれている。
名古屋市に合併を蹴られた街編集
さて平成に入ると、市町村合併をすすめる日本国の圧力が高まるようになった。愛知県庁と名古屋市役所はこれに乗じて、西春日井郡を一つの自治体に再編し、名古屋市への隷属を推進すべく、関連する町に工作をかけ始めた。
しかし、この動きを巡っては同じ郡でも反応がまちまちであった。名古屋に対して反感を抱く清洲町や豊山町のような町もあれば、迎合する師勝町や西春町もあり、更には属国ではなく完全な名古屋市の一員となることを望む所(東京都浦安区や京都市大津区みたいなもの)もあった。それがこれから記す西枇杷島町である。
西枇杷島の町はかつて小田井城という城を持ち、江戸時代になっても名古屋と清洲と美濃を結ぶ街道に市場ができるなど、名古屋を支える商業地として栄えていた。そのため名古屋市の一員になる資格があると自負しており、西春日井郡の中でも独自の動きを見せる所として注目されていた。
だが肝心となる名古屋市は財政に豊かな状況ではなく、西枇杷島を編入するだけの力は無いと、これを断ってしまった。結果としてこの町にも反名古屋の精神が生まれるようになり、後述する清洲との統合を目指すようになったとされている。
しかし実は、1955年の昭和のアンシュルス時には名古屋市からの合併提案を断っている。
反名古屋の統合と新市名編集
西春日井郡の一体化合併計画は、結局各町の思惑がバラバラであったことから破綻し、清洲を中心とする「反名古屋派」は独自で合併を進める事にした。こうして清洲町と上記した西枇杷島町、更に2000年9月11日の豪雨で名古屋市役所と愛知県庁の無策により、西枇杷島などと同じく被害を受けた新川町が合同し、清須市を発足させるに至った。
合併に際しては、「清洲」のままだとまるで清洲町が周辺町を乗っ取ったような印象を与えかねないため、古くからの異表記である「清須」を採用した。この市名からも、名古屋への反抗精神を感じ取ることができよう。
春日町は優柔不断であって「親名古屋派」と「反名古屋派」のいずれに属するかの判断ができなかったことから、まるで係争中立地帯(19世紀のタイのごとく)のように残って終ったといえる存在である。
しかし、孤立したまま残ることはできないと判断したのか、2009年10月1日清須市と合併した。
対抗市の発足編集
清須市の発足により、名古屋市の西春日井郡属領化計画は完全に崩れた。だが名古屋市は、このまま放置しておけば西春日井郡に属する残りの町も反名古屋派に回ってしまうのではないかと危惧し、今度は親名古屋派の取り込みを始めた。
そして西春日井郡4町のうち、中間に位置して親名古屋派であった師勝町と西春町を名古屋市主導で合併させ、2006年3月20日に北名古屋市を発足させた。この名前からして、名古屋への従属を示しているようなものであり、清須市への対抗馬として名古屋市が今後育成援助を行うと見られている。
孤立する豊山編集
さて、清須市の春日町との合併と北名古屋市の発足で、西春日井郡は崩壊したかに見えたが、現実には豊山町という1つの町が残った。
このうち豊山町はイチローの出身地として自負が強く、また名古屋飛行場(名古屋空港)を有していることからどこの都市とも合併しない「独立指針」を明確に打ち出している。
名古屋軍の侵攻編集
2017年に名古屋に本拠地があるテレビ局が誤って機密情報を放送してしまったことで発覚した。同様の理由で豊山町や北名古屋市にも進軍する計画が発覚した。その件について、隣接する稲沢市在住の清洲系稲沢人の男性は、「(名古屋の)市バスが結構近くに来るからいい。」と非常に楽観的な意見を述べた。
清洲城編集
さて、名古屋城が出来て城が潰されてしまった清洲であるが、明治・昭和を経て能天気な時代となると清洲の反抗精神が蘇り、第一歩として城を復活させることが決定された。
その際、デザインは歴史考証など全く無視し、名古屋城に対抗できる水準の壮大なものとする事が求められたといわれているが、さすがに財政に余裕がないので現行の天主を有するものになったという。復活した清洲城は、城としては大変小さく、まるで飲食店か金持ちが道楽で作ったものと勘違いするほどである。
しかし名古屋城と違って、東海道新幹線の車内からはっきり見えるところが評価されている。人によってはこれを名古屋城と混同し、「名古屋の城は姫路城とかよりはるかにショボイ」と説いて回ることがあるといわれているが、それをも見越してこの位置に復活させたのでは…という噂も立てられている。 また、新幹線の車窓から清須城を見た人の一部は、「物好きの金持ちの家」や「飲食店」と本気で勘違いしている人がいる。
鬼殺し編集
清洲の伝統品として、鬼殺しと呼ばれる極めて強い酒が存在する。これは「清洲出身の織田信長が、鬼以上に凶暴な存在であった事をアピールする為に作られた…。」と言われているが、実際には清洲市民が抱いている名古屋への恨みが募り、それに基づく執念でこの辛さが作り出されたと言われている。
出身者編集
関連項目編集
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刑事施設 : | 名古屋刑務所 | 五条監獄 |